2011初春 モバイル事情
現在、自分用の携帯電話として、NTTドコモを1回線契約している。
元々自分用と仕事用で2回線契約維持していたのだが、自分用の1回線をリストラして仕事用の1回線を自分用としても兼務するようにしたという訳。
こちらの回線での端末は、モトローラのM702iS(あのかっこいいMOLTORAZRだ)を皮切りに、同じくモトローラのM1000、Sony EricssonのSO905iCS、HTCのHT-03A、Sony EricssonのXPERIAと比較的短い期間に変遷してきた。
MOTOROLA M702iS
かっこよさ命。メールの打ちにくさ世界一。
MOTOROLA M1000
DoCoMoスマートフォンの祖。
Sony Ericsson SO905iCS
サイバーショット携帯。そこそこ良い写真撮れます。
Sony Ericsson Xperia SO-01B
DoCoMoアンドロイドケータイのかつてのアイコン。
HT-03A以降は所謂スマートフォンとなり、AndroidOSがもたらす新しいネットアクセスの形を思う存分享受出来て満足していたのだが、XPERIAを使い込んでいくうちに、だんだんとタッチパネルの感度の悪いところが目に付くようになり、それが心理的な不安となってなんとかしなければと思いこむようになってしまった。
そう、端末収集癖の発症である。
この、タッチパネルの感度の悪さなのであるが、例えばメールの返信の文章で、長文ではなく一言ささっと、例えば「了解です、ではよろしく」なんていう短文で即返信したい時に限って「了解drす」などとタッチミス(こっちからすれば端末側の認識ミスなのだが)することが多かったり、左端をタップしているのに認識しないなどそれによって多々イラっとさせられることがあり、これは単純に物理キーボードを備えた端末をチョイスすればいいのでは?と考えるに至った。
物理キーボードというと、フィーチャーフォンに逆戻りということになってしまうのか?
しかし、自由なネットアクセスが体に染み付いたこの身に有体なフィーチャーフォンはちょっと辛い。
フィーチャーフォンでネットアクセス出来ないわけではないが、ケータイサイトを使いこなせない私にはフィーチャーフォンは良い選択となり得ないのでこれはNG。であれば、他には?ということでちょっと見回してみたらあるじゃないですかアメリカ合衆国第44代大統領のバラク・オバマが御愛用ということで有名なRIMのBlackBerryが。
こちらはOSからしてBlackBerryOSという独自OSということで使い勝手の面で一抹の不安があったのだが、量販店のホットモックをいじくりまわしてみてこれだったら使えそうかなと思い、オークションで1世代前のフラッグシップ機、BlackBerryBold9000を白端末で入手した。
さて、このBlackBerryであるが、BISという専用のサービス網を介してでないと特徴的なメールサービスやWebアクセスがほぼ使えないという大きな制約があるため、事前に仕方なく月額コースに加入し準備万端、SIMカードを差し替えて使い始めてみた。
いざ使い始めてわかったことであるが、Webアクセスが遅く、アプリケーションの種類がAndroidのそれほどに多くなく使い勝手が良くない。
期待していた物理キーボードについては期待を裏切らない使い心地で、豆粒のようなキートップであるにも関わらずこちらの意図した通りの文字をタイプ出来る快感を味合わせてくれるキーボードであると思う。おかげで、用もないのについついメールを打ってしまったりしてしまう。
と、満足度が決して高いとはいえないBlackBerryBold9000であるのだが、何より通話品質が素晴らしいし、折角入手したのだし、端末自体の質感や数多くあるカスタマイズパーツによる自分だけの一台を作り上げる楽しみ等、そこらの端末では中々持ち合わせない魅力が捨てがたく、通信コスト増が予想される若干の後ろめたさを抱えながらもXPERIAとの2台並行運用の道を探ることにした。
さて、並行運用することを考えると、まずは通信方式をどうするか。
この点については、以前から興味があったモバイルルーターを介した通信を行うことを念頭に考えた。
比較や検討対象となったのは以下の各サービスである。
◆イーモバイル Pocket WiFi(D25HW)
よくよく考えてみたら、イーモバイルのデータ通信専用回線が1回線あって休眠状態にあるのである。
これを活かせば?と思いD25HWの白端末をオークションで入手しようとしたが、SoftBankのC01HWというブランド違いの同一製品が若干安く出品されていたので、イーモバイル回線で運用出来ることを確認して落札した。
月々の運用コストは従量制の課金額が790円から上限4770円で、通信速度やエリアの広さなどを加味すると比較的リーズナブルであると思う。
◆日本通信株式会社 b-mobile
NTTドコモのFOMA回線のMVNOとして、定額使いきり型のSIMカードを販売。
IDEOSという、中国Huawei製のAndroid端末とセットで購入すればテザリングによって他の通信機器も通信が可能になるというものなのだが、そもそもAndroid端末で通信したいのにAndroid端末を用いて、つまり2台のAndroid端末を常に持ち歩くことの不条理さにちょっと納得がいかない。
(勿論、カードだけの購入は可能。その場合は端末にカードを挿して通信する)
それと、通信速度がベストエフォートで上下300kbpsというのはいくらなんでも回線細すぎ。
月々の運用コストが実質2000円台中盤に収まるといっても、ストレスがたまるのが目に見える。
◆WiMAX
最大の特徴である通信速度の速さ、下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsは大変魅力的である。
このサービスが本サービスを開始する前、モニター使用として2ヶ月ほど都内で使っていたことがあるのだが確かに、つながると速いのである。但し、「つながれば」だが。
本サービスが始まって大分時間も経っているが、前述の様なエリア内なんだけど電波が届かない「穴」があるというような、見えにくい問題は改善されているのであろうか。
それと、根本的な問題として、地下鉄で使えないのである。
現在地下鉄を用いて通勤している私にとって、地下鉄で使用出来ないのでは真っ先に条件から外れてしまう。
月々の運用コストが4000円を切るということで、コストパフォーマンスでは一番なのだが‥
◆FON
番外編であるが、FONである。
これは、ざっくりと行ってしまえば宅内の無線LANの電波を借用して通信をするという法的に微妙なソリューションで、事前にFONの利用を登録しておくことで使える会員制のサービスとなる。
月々の運用コストはかからないものの、通信可能エリアが不明瞭、地下鉄は駄目、電波品質の保証が無い等、悪い点ばかりが頭に浮かんで真剣に使用を検討するまでには至らなかった。
このように、いろいろと検討はしたのだがどれもなんか決め手に欠ける感じでズバッと決めきれず、結局のところSIMをBlackBerryBold9000からXPERIAに戻して相変わらず感度の悪いタッチパネルに辟易しながら一台で運用していた。
そんなある日、駅前の携帯屋を物色していたら、ドコモのWi-FiルーターHW-01CとSamsungのGalaxy Tabのセットが条件てんこ盛りながらも新規一括で数千円で販売されているではないか。
なんてったってアイドル、なんてったってドコモである。
エリア的には申し分ないし、通信速度もFOMAのそれに順ずる。料金についてもパケット定額でキャンペーンなどの諸々の優待を適用すると少なくとも最初の1年間は月々最大4500円程に収まってしまう。
そもそも、キャリアがドコモであるのだからSIMを差し替えることでルーターを使わず端末だけの運用が出来るという点、数千円の初期コストで魅力的な現行Android端末を入手できる点など、特に買わない理由も思いつかなかったのでエイやで契約をしてしまった。
ちなみに契約の仕方はHW-01Cをデータ通信で新規契約後、間をおかずにGalaxy Tabに機種変するという方法で、当然のことながら1回線の契約でWi-Fiルーターと端末を入手出来るのでこちらにしてみれば大変有難いといえば有難い契約方法である。もっとも、販売店によればドコモ的には好ましくない方法であるのでいつまでこの方法で販売できるかわからないという話ではあったが。
こうしてサクッと手に入れたWi-Fiルーターであるが、使い心地はまずまず。
本ルーターの子機としてBold9000とXPERIAの2台を繋げているが、今の所特に不具合も無く安定して通信が出来ている。
心配した地下鉄駅構内での通信だがルーターと子機間はルーターの通信状態に関係なく常にWi-Fiで接続されているのでルーターの3G網への接続が復帰するとほぼ間をおかずに子機でも通信を行うことが可能になる。もっとも、停車時間が短いので子機で通信できる正味の時間は短いのだが、まぁ接続できないよりは数段マシだ。
但し、薄型小型軽量の筐体の宿命故、バッテリーの持続時間が短いのはいかんともしがたい。
朝フル充電状態で家を出て、良好な電波状況下において特に激しく通信もしていない状態で昼過ぎにはLow Batteryの表示がなされる。
この点は、外出時一度は何らかの形で充電が必要なデバイスであるという割りきりが必要であろう。
いずれにせよ、一昔前では考えられなかった「気軽にひょいとポケットにつっこんで使えるWi-Fiルーター」として、最大5台までの通信機器をデバイスの種類を気にすることなく接続出来るということだけでも非常に価値のある製品だと思う。
ライトな使い方であればそう不満も無いだろうし、私のようなオーソドックスな使い方をするにしても通信費を束ねられる(ルーターの通信に集約出来るということ)事には大きな意味があるのではないかと思っている次第である。